結論から言うと、探偵業法を理解している人だけが「失敗しない依頼」ができます。
探偵に依頼する前に、最低限これだけは知っておいてください。
探偵業は「怪しいグレーな仕事」ではありません。条件を満たした事業者は、法律に基づいて正規に営業できます。
ただし逆に言うと、法律を理解せずに依頼すると、あなたが損をします。
高額請求トラブル、違法調査への巻き込まれ、証拠が使えない…。
この記事では「探偵業法(探偵業の業務の適正化に関する法律)」を、依頼者目線でわかりやすく整理します。
読み終えるころには、依頼していい探偵・ダメな探偵を見分ける基準が手に入ります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の事案は状況により結論が変わるため、必要に応じて弁護士等の専門家にご相談ください。
1. 探偵業法とは?(依頼前に押さえるべき基本)

探偵業法は、依頼者(あなた)を守るための法律です。
「探偵の業務」をルール化し、個人の権利・利益が不当に侵害されないようにすることが目的です。
探偵業法が作られた理由
探偵の調査は、やり方を間違えると、プライバシー侵害やストーカー行為などのトラブルに直結します。
そこで探偵業法では、届出制度や契約前の説明義務などを通じて、業務の適正化を求めています。
「探偵業」に当たる業務とは
かんたく言うと、次のようなことを業として行う場合、探偵業に該当します。
- 特定の人の行動や所在などを調べる(尾行・張り込み等を含む)
- 調べた結果を報告として提供する
ここがポイントです。
探偵は「何でも調べられる人」ではありません。
できることとやってはいけないことが、はっきり分かれています。
2. 探偵は合法?違法?結論:条件を満たせば合法です
結論から言います。
探偵業は、所定の手続きを踏んでいれば合法です。
ただし、条件を満たしていない業者(無届など)に依頼すると一気に危険になります。
だからこそ、依頼前に「届出(登録のようなもの)」の有無を必ず確認してください。
探偵業は「届出制」:公安委員会への手続きが必要
探偵業を始めるには、営業所の所在地を管轄する公安委員会への届出が必要です。
届出が受理されると受理番号等が管理され、探偵業者はルールに従って営業します。
重要なので繰り返します。
届出の確認ができない探偵事務所は、依頼しないでください。
たとえば公式サイトや事務所の掲示物に、届出に関する表示(受理番号・公安委員会名など)がない。
この時点で「やめておく」が安全です。
3. 【重要】「探偵業届出証明書」と「標識」:いま依頼者が見るべき表示
ここは最新の注意点です。
令和6年(2024年)4月1日以降、「探偵業届出証明書」は制度上廃止され、所定の「標識」の掲示等に移行しています。
つまり、古い情報のまま「証明書だけを見ればOK」と思うのは危険です。
依頼前は、次のいずれか(または両方)を確認してください。
- 営業所の見やすい場所に、所定の標識が掲示されている
- (条件により)事業者のWebサイトに、標識等の情報が掲載されている
そして、届出番号の表示を確認する場合、次の「都道府県番号(コード)」が一致しているかが一つの目安になります。
探偵業の届出番号に使われる都道府県番号一覧
北海道(10)
青森(20) 岩手(21) 宮城(22)
秋田(23) 山形(24) 福島(25)
東京都(30)
茨城(40) 栃木(41) 群馬(42)
埼玉(43) 千葉(44) 神奈川(45)
新潟(46) 山梨(47) 長野(48)
富山(50) 石川(51) 福井(52)
静岡(49)
岐阜(53) 愛知(54) 三重(55)
滋賀(60) 京都(61) 大阪(62)
兵庫(63) 奈良(64) 和歌山(65)
鳥取(70) 島根(71) 岡山(72) 広島(73)
山口(74) 徳島(80) 香川(81) 愛媛(82) 高知(83)
福岡(90) 佐賀(91) 長崎(92) 熊本(93)
大分(94) 宮崎(95) 鹿児島(96) 沖縄(97)
4. 行政処分の確認方法:依頼前に必ずチェック
法律に反した業務を行った探偵は、行政処分を受けています。
そして、行政処分を受けた探偵業者は、各都道府県警察・公安委員会等のWebサイトで公表されています。
たとえば東京都であれば、警視庁の「探偵業法に基づく行政処分」ページで確認できます。
- 公表は原則「処分日から3年間」(期間経過後は一覧から見えなくなります)
- つまり「載っていない=問題がなかった」とは限らない
ここで問いかけです。
もし、過去に行政処分を受けた可能性がある業者に、何十万円も払うとしたら…不安になりませんか?
だからこそ、依頼前にやるべきことはシンプルです。
- (1)標識・届出情報が確認できるか
- (2)行政処分の公表ページで、該当がないか
- (3)契約前に「違法な調査はしない」と明言するか
この3つが揃わない場合は、依頼しない。それが最も安全です。
5. 探偵業法で禁止されていること【できること/できないこと比較】
この章では、探偵業法で「できること・できないこと」を一目で判断できるように整理します。
ここを理解していないまま依頼するのは、正直かなり危険です。
なぜなら、探偵業法では「できる調査」と「絶対にやってはいけない調査」が明確に分けられているからです。
そして重要なのは、違法な調査を「依頼した側」も責任を問われる可能性があるという点です。
ここでは、依頼前に必ず押さえておくべき内容を比較形式で整理します。
探偵が「できること」(合法な調査の代表例)
探偵業法の範囲内で、適法に行われる主な調査は次のとおりです。
- 浮気・不倫の事実確認(尾行・張り込み・聞き込みなど)
- 家出人・所在不明者の所在調査
- 結婚前・交際相手に関する身辺調査(適法な範囲に限る)
- 嫌がらせ・ストーカー被害に関する事実確認
ポイントはここです。
これらはすべて、
- 違法な手段を使わない
- 差別や人権侵害につながらない
- 犯罪を助長しない
という大前提を守ったうえでのみ可能です。
つまり、「内容」だけでなく「やり方」も合法でなければNGということです。
探偵が「できないこと」(探偵業法で明確に禁止)
次に、探偵業法で禁止されている調査です。
これを提案してくる探偵がいたら、その場で断ってください。
- 差別につながる調査(思想・信条・病歴・前科など)
- ストーカー行為やつきまといを助長する調査
- 違法侵入・盗聴・盗撮などの違法行為
- 犯罪目的であると知りながら行う調査
特に注意してください。
「バレないから大丈夫ですよ」「みんなやってますから」
こうした言葉が出た時点で、その探偵は法律を守る気がありません。
【要注意】依頼者側が違法になるケース
ここが多くの人が誤解しているポイントです。
「やったのは探偵だから、自分は関係ない」
そう思っていませんか?
それは間違いです。
探偵業法では、次のような場合、依頼者側にも責任が及ぶ可能性があります。
- 違法な目的だと知りながら調査を依頼した
- ストーカー行為に使うと分かっている調査を依頼した
- 差別・嫌がらせ目的の調査を依頼した
ここで条件付けを一つ。
もし、「相手を困らせたい」「仕返しがしたい」と思っているなら、その調査は依頼できません。
もし、「事実を確認し、法的・冷静に解決したい」なら、探偵業法の範囲内で依頼できます。
この違いを理解できるかどうかが、安全な依頼者と危険な依頼者の分かれ道です。
もう一度、重要なことを言います。
探偵業法を守る探偵に依頼することが、あなた自身を守ります。
そしてそのためには、「何ができて、何ができないのか」を依頼前に理解しておくこと
これが絶対条件です。
できること/できないこと【比較まとめ】
✅ できること(合法の範囲)
- 浮気調査:適法な範囲での尾行・張り込み・聞き込み
- 所在調査:家出人・所在不明者の所在確認(適法な手段に限る)
- 身辺調査:公開情報など、適法な範囲での事実確認
- 目的:事実確認・トラブル解決(法的手続きに備える等)
⛔ できないこと(違法・禁止の範囲)
- 違法手段:住居侵入・盗聴・盗撮・不正アクセスなど
- 差別につながる調査:思想・信条、病歴、前科などの調査
- 犯罪目的:ストーカー行為や嫌がらせを助長する調査
- 目的:復讐・仕返し・相手を困らせるための調査
⚠️ 依頼前にこれだけ確認(超重要)
- 「届出(標識)」が確認できるか
- 違法調査はしないと明言しているか
- 契約前に見積り・追加料金・方法を説明するか
ポイント:「何を調べるか」だけではなく、どうやって調べるかが合法かどうかを分けます。
依頼前に、探偵側が違法な手段は使わないと明言するか必ず確認してください。
6. 探偵業法違反の罰則と、実際に起きるトラブル事例
「もし違反していたら、どうなるのか?」
依頼前にここを知っているかどうかで、あなたが守られる確率は大きく変わります。
先に結論を言います。
探偵業法に違反した探偵は、行政処分や罰則の対象になります。
そして、違反する探偵に依頼した“依頼者側”もトラブルに巻き込まれます。
※罰則や処分の適用は個別事情によって異なります。本章は一般的な理解のための説明です。
探偵業法違反で起こりうる「行政処分」
探偵業法に反した業者は、警察(公安委員会)から行政処分を受けることがあります。
- 指示処分:違反行為の是正命令(改善を求められる)
- 営業停止命令:一定期間、営業ができなくなる
- 届出の取消し等:営業継続が困難になる重大な処分
ここで重要なことを繰り返します。
行政処分を受けるような業者は、「説明しない」「契約を急がせる」「違法な提案をする」など、依頼者側が不利になる言動を取りがちです。
探偵業法違反で問題になりやすい「罰則」
探偵業法には、違反内容に応じた罰則が定められています。
特に大きいのは次の2つです。
- 無届営業(届出なしで探偵業をする):重大な違反
- 守るべき義務(説明・書面交付など)を守らない:トラブルの温床
細かい条文や数字を覚える必要はありません。
依頼者が覚えるべきは、これだけです。
「届出(標識)が確認できない」「説明が雑」な探偵は危険。
実際に起きやすい探偵トラブル事例(依頼前に知っておくべき)
ここからは、依頼者が巻き込まれやすいトラブルを具体的に紹介します。
あなたが同じ失敗をしないためのパートです。
事例1:最初は安く見せて、後から高額請求(追加料金トラブル)
よくあるのが、「最初は安い」→「後から増える」パターンです。
- 「基本料金は安いが、成功報酬や延長費用が膨らむ」
- 「機材費・車両費・報告書作成費」など名目が増える
- 見積りが曖昧で、契約書の説明がない
問いかけです。
見積りが曖昧なまま、契約に進もうとしていませんか?
もし明細が出せないなら、その時点でやめる。
これが一番の防御です。
事例2:違法な調査を提案される(あなたも巻き込まれる)
危険なのは、探偵側からこう言われるケースです。
- 「スマホの中身を見られます」
- 「部屋の中に仕掛ければ一発です」
- 「住民票や勤務先、すぐ取れます」
はっきり言います。
こういう提案をする時点で、その探偵はアウトです。
もし“違法なやり方”で得た証拠なら、使えない可能性もあります。
さらに、状況によっては依頼者側も責任を問われるリスクがあります。
事例3:証拠が弱く、裁判・交渉で使えない(報告書の質問題)
浮気調査などで多いのが、「証拠にならない報告書」です。
- 日時や場所の記録が曖昧
- 写真がブレている/対象が判別できない
- 継続性が示せない(単発で弱い)
例えるなら、「鍵穴に刺さらない鍵」を買わされるようなものです。
依頼前に必ず確認してください。
「報告書はどんな形式か」「サンプルは見せられるか」
これを聞けない探偵は、やめておくのが安全です。
事例4:契約を急がされ、冷静な判断ができない(強引な営業)
次のセリフが出たら要注意です。
- 「今日決めないと間に合いません」
- 「今だけ特別価格です」
- 「とりあえず契約だけして」
重要なので繰り返します。
契約を急がせる探偵は、依頼者の味方ではありません。
あなたが守るべきものは、相手の機嫌ではなく、あなたのお金と人生です。
トラブルを避けるために、依頼前に必ずやること
ここまで読んだあなたに、最低限の「防御策」をまとめます。
- (1)標識・届出情報が確認できるか
- (2)見積りが明細で出るか(追加料金条件も)
- (3)違法な調査はしないと明言するか
- (4)報告書のイメージ(サンプル)を確認できるか
- (5)行政処分の公表ページを事前に確認する
条件付けで、結論を言います。
もし、「安心して依頼したい」なら、契約前に“確認できる材料”が揃っている探偵だけを選ぶべきです。
7. 探偵に依頼する前に必ず確認すべきポイント【保存版チェックリスト】
ここが、この記事の中で一番重要な章です。
なぜなら、ここを確認するだけで、「失敗する依頼」をほぼ確実に避けられるからです。
難しい知識はもう必要ありません。
これから紹介するチェックリストに「YES」と答えられるか、それだけを確認してください。
チェック① 探偵業の届出(標識)が確認できるか
まず最優先で見るべきポイントです。
- 営業所に標識が掲示されている
- 公式サイトに届出情報(公安委員会名など)が記載されている
ここで問いかけます。
「法律を守っていること」を、なぜ隠す必要があるのでしょうか?
確認できない場合、理由を問わず、その探偵は選ばない。
これだけで危険度は一気に下がります。
チェック② 見積りが「明細つき」で出ているか
探偵トラブルで最も多いのが、料金です。
必ず、次の点を確認してください。
- 基本料金に何が含まれているか
- 追加料金が発生する条件
- 延長・成功報酬・キャンセル時の扱い
重要なので断言します。
口頭説明だけで済ませる探偵は危険です。
もし、「あとで説明します」「やってみないと分からない」
こう言われたら、その時点でやめてください。
チェック③ 違法な調査は「できない」とはっきり言うか
信頼できる探偵ほど、「できないこと」を先に説明します。
- 盗聴・盗撮・不正アクセスはしない
- 住居侵入やなりすましはしない
- ストーカー・嫌がらせ目的の依頼は断る
ここで大事な比較です。
✔ 良い探偵:「それは法律上できません」
✖ 危険な探偵:「バレない方法があります」
どちらを選ぶべきかは、もう明らかですよね。
チェック④ 契約内容を書面で説明してくれるか
探偵業法では、契約前の説明が重要視されています。
次の点が揃っているかを確認してください。
- 契約書がある
- 内容を一つずつ説明してくれる
- 質問しても嫌な顔をしない
問いかけです。
数十万円払う契約なのに、説明が雑で本当に大丈夫ですか?
もし、急かす・説明を省く・質問を嫌がるなら、その探偵はあなたの味方ではありません。
チェック⑤ 行政処分の情報を事前に確認したか
最後の仕上げが、行政処分の確認です。
- 各都道府県警察・公安委員会の公式ページを確認
- 公表期間は直近3年分であることを理解
ここで勘違いしないでください。
「載っていない」=「絶対に安全」ではありません。
ただし、載っている場合は確実に避けるべきです。
【最終確認】この5つが揃えば、失敗リスクは激減する
- 標識・届出情報が確認できる
- 見積りが明細つき
- 違法調査はしないと明言
- 契約内容を書面で丁寧に説明
- 行政処分情報を事前確認
重要なので、最後にもう一度。
探偵選びで失敗する人は、「確認しなかった人」です。
もし、安心して依頼したいなら、このチェックリストを満たす探偵だけを選んでください。
8. 探偵業法に関するよくある質問(Q&A)
ここでは、実際によく聞かれる疑問をまとめました。
依頼前の「モヤっとした不安」を、ここで全部解消してください。
Q1. 探偵に依頼すること自体は違法ではありませんか?
A. 違法ではありません。
探偵業は、探偵業法に基づき適切に届出(標識掲示など)を行っている業者であれば、合法です。
ただし、無届業者や違法調査を行う探偵に依頼すると、トラブルに巻き込まれる可能性があります。
だからこそ、依頼前の確認がすべてなのです。
Q2. 浮気調査は探偵業法で認められていますか?
A. 条件付きで認められています。
浮気調査そのものは違法ではありません。
ただし、
- 違法侵入をしない
- 盗聴・盗撮をしない
- プライバシー侵害にならない方法で行う
といった「やり方の合法性」が強く求められます。
結論としては、「調査内容」よりも「調査方法」が重要だと覚えておいてください。
Q3. 探偵業の届出番号はどこで確認できますか?
A. 主に次の場所で確認できます。
- 営業所内に掲示されている標識
- 探偵事務所の公式サイト(会社概要ページなど)
どこにも記載がない場合は、「聞けばいい」ではなく「選ばない」が正解です。
Q4. 行政処分歴がある探偵は、絶対に避けるべきですか?
A. 基本的には避けるべきです。
行政処分は、法律違反があった事実です。
たとえ軽微な処分でも、依頼者側のリスクは高くなります。
ここで一つ考えてください。
同じ料金なら、「処分歴なし」と「処分歴あり」どちらを選びますか?
答えは、明らかですよね。
Q5. 探偵に相談しただけで契約しなくても問題ありませんか?
A. まったく問題ありません。
むしろ、複数社に相談して比較することが推奨されます。
もし、相談しただけで契約を迫られるなら、その探偵は最初から候補外です。
9. まとめ|探偵業法を知っている人だけが、失敗を避けられる
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 探偵業は探偵業法に基づく合法な業務
- ただし、届出・標識・説明義務を守らない業者は危険
- 違法調査を依頼すると、依頼者側もリスクを負う
- 行政処分歴・見積り・契約説明は必ず事前確認
一番伝えたいことは、これです。
探偵業法を知らないまま依頼することが、最大のリスク。
逆に言えば、この記事に書いてあることを確認するだけで、失敗の多くは防げます。
もし、これから探偵に依頼しようとしているなら、焦らず、確認し、納得してから決めてください。
あなたが安心して正しい判断をできることを、心から願っています。
次にやるべきことは、気になる探偵事務所の「標識・届出情報・行政処分歴」をこの基準で照らし合わせることです。
